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映画ファンには、完全必読の名著!! 「映画もまた編集である」

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 マイケル・オンダーチェ「映画もまた編集である ウォルター・マーチとの対話」

ウォルター・スコット・マーチWalter Scott Murch, 1943年7月12日 - )は、アメリカ合衆国ニューヨーク生まれの音響技師・編集技師

1967年に南カリフォルニア大学を卒業したマーチは、友人の紹介でブリタニカ百科事典監修の教育ビデオ製作を担当することになった[3]。そこを退職したマーチはしばらくフリーランスとなり、コマーシャルフィルムの編集に携わったりした。1968年12月にルーカスの紹介により、コッポラの監督第五作目である『雨の中の女』の映画製作に音響技師として参加することになった[4]。この作品が、マーチの名前が正式にクレジットされた最初の商業映画である。

その後マーチはコッポラやルーカスと共に映画制作スタジオであるアメリカン・ゾエトロープの設立に関与、その中心メンバーとして活躍する。1970年代には『THX 1138』(1971年)、『アメリカン・グラフィティ』(1973年)、『カンバセーション…盗聴…』(1974年)、『ゴッドファーザー PART II』(1974年)など、多くのコッポラやルーカス監督作品で音響技師を勤め上げた。特に『カンバセーション…盗聴…』では、マーチは映画の音響のみならず編集作業(編集監督としてクレジット)にも携わることになった。この作品の完成に果たしたマーチの役割は非常に大きなものであり、映画評論家のピーター・コーウィーが彼のことを映画の共同製作者と呼ぶほどであった[5]

1979年に公開された『地獄の黙示録』でも、マーチは映画の音響技師兼編集技師として製作に参加した。この作品でマーチはマルチトラックレコーダーを駆使して映画のサウンドトラックを録音、映画製作に多重録音を導入した先駆者の一人となった。その卓越した業績を評価され、マーチは同年度のアカデミー録音賞を受賞した。今日では一般的な「サウンドデザイナー」という職名で映画にクレジットされたのは、『地獄の黙示録』におけるマーチが初めてである[6]

1985年には『オズの魔法使』の続編である『オズ』で監督デビューを果たすが、作品は商業的に苦戦し、また批評家たちからの評価も芳しくないものだった。後にマーチは自身の孤独を好む性質が、監督業に向いていなかったと述懐している[7]。この作品で監督と脚本を担当したのを最後に、マーチは以前と同じように映画の裏方に専念することになる。公開当時は成功しなかったものの、現在その特異な世界観と美術を再評価する者も居る[8]

1996年に公開された『イングリッシュ・ペイシェント』では映画の音響と編集作業を担当、同年度のアカデミー賞編集賞と二度目の録音賞を受賞することになった。この作品でマーチは、Avid Technology社が開発したノンリニア編集ソフトを編集作業で使用している。現在では映画のデジタル編集は一般的なものだが、マーチはコンピューターを用いた編集作業でアカデミー賞を受賞した最初の映画編集者である。

マーチはその後も『リプリー』(1999年)、『K-19』(2002年)、『コールド マウンテン』(2003年)、『ジャーヘッド』(2005年)、『コッポラの胡蝶の夢』(2007年)など、数多くの話題作の製作に携わっている。2007年には映画編集者マーチの思想に迫る長編ドキュメンタリー映画『Murch』が発表された[9]

2009年、マーチはコッポラの監督最新作である『テトロ 過去を殺した男』の製作に参加。映画の編集と音響を担当している[10]



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