人間だけが、できること。
答えのない問いに、苦しむ
そして
泣くこと
心なんてなければいいのに・・
心がくれるのは
苦しみだけ
喜びがなくてもいいから
この苦しみを
止めてくれるなら
心などいらない
少年は、
答えのない問いを叫ぶ
どうして
大好きなパパは
殺されたの?
少年は
まるで
答えを探すように
走りまわる
テロのトラウマから
交通機関を使えない
橋を渡るのすら怖い
自分の脚で
パパの遺品の壺の中にあった鍵と
「ブラック」という名前だけを頼りに
鍵は必ず扉を開く
そこには
かならず答えがあるはず
まるで不可能な必死の探索をする
少年の姿は
観ているこちらの心を
徐々に捻じ曲げる
もうやめてくれ・・と
答えのない問いに
苦しむ姿は
その人が
無垢であればあるほど
痛々しい
途中から
口の効けない老人が
同行する
マックス・フォン・シドー演じる
この老人も
この少年の姿に
心が潰れる
大人は
誰もいう
「もうやめろ」
それに
対して
少年はいう
「なにもしないよりも失望したほうがいい」
これを
聞いた途端、
泣いた
答えのない問いを続けた末の
この言葉・・・
こんな
美しい絶望があるだろうか・・
ただ
一つだけつけくわえると
アメリカは
911に、
テロを仕掛けた国に
こういう少年を
何百倍も作っているということを